[2020年6月7月]
6月7日 正しく伝えるは事の難さしさ~八正道第三の道正語とは~
先週は、八正道の二番目の行動である正思についてご案内しましたので今回は三番目の考え方である正語(しょうご)についてご案内します。正語とは正しい言葉使うという意味です。仏教において正しいとは、偏らないという意味でした。だから、端的に言うと正しい言葉を使うということになります。では正しい言葉を使うといというのはどういう意味なのでしょうか。その説明をする上で、正しくない言葉を使うという事がどういうことからまず説明をします。
言葉は、話し手と聞き手との間で行われる会話の中核をなすものです。話し手は自分が感じたことを言葉で伝えます。聞き手は、その言葉を聞いて受け止めます。そして、聞いた言葉を踏まえて次は聞き手が話し手として、言葉を先程は話し手だった聞き手に投げ返します。言葉は、話し手と聞き手がお互いに感じたことを伝えあうための手段と言えます。お互いが感じたり考えたりしていることを伝えるので、当然言葉は人がその時に感じている事や気持ち感情に多分に影響されます。人は怒っている時は荒々しい言葉を使う時があり、時に相手を傷つけるような暴言をはくときもあります。また、人は自分の心の内にやましい事があれば、気まずいという感情が生じはぐらかすような言葉を使ったり、時に嘘を言うこともあります。そして、人は他の人に好かれたいなどの感情が芽生えると、見栄をはるような言葉を使ったり、時には真実とは程遠いようなおせいじを言ったりもします。このように、自分の持つ感情などに左右され言葉を過度に脚色して相手に伝える事が
偏った言葉を使っている状態=正しくない言葉を使うということになります。そして、このような正しくない言葉というのは人を容易に傷つけます。時に、言葉の使い方によっては人の命さえも奪ってしまう凶器となりえます。
逆に、感情などに支配されず冷静に自分を偽らずに、そして独りよがりでなく客観的に伝える言葉が正語といいます。正語に従って話をすると、余計な見栄や人を傷つけるこということも少なくなります。この正語を守る上で心がけることが4つあります。それは、4つの語りをしないということです。1つ目、妄語(もうご=嘘をつくこと)、2つ目綺語(きご=無益で飾り立てる言葉、3つ目、両舌(りょうぜつ=人の中を割く言葉)、4つ目、悪口(あっく=粗野な言葉、人を傷つける言葉)です。これらの、語りをしないということが正語に繋がります。これらは、人が良く日常的に使ってしまう語りだと思います。使用することが癖のようになっているなと感じている人は、抜け出すコツを1つお伝えします。そのこつは、毎日その日にあった良いことを思い返し、可能であれば記録に残します。人は良いことがあると感じると、思考や心が前向きになり幸福感で満たされると言われています。そして、記録をすることで記憶に残りやすくなり幸福感が維持されやすいと言われています。人は前向きな時は、自分に心に余裕が持てるので自分に正直にいられる傾向にあります。そしてそのような時は、正語で人に語りかけることができるそうです。私も最近試してますが、いつもよりは心に余裕が持てている気がします。